大型FRP漁船の設計と建造


大型のFRP船の設計においては、小型船のような 「ここは力がかかるからガラス繊維を数枚貼り足しておこう・・・・」というような安易な考え方
ではとても強度は保てません。 昨今の地震では皆が安心と思っていたいろんな建造物がもろくも破壊されていますが、数百トンの重さの船が
太平洋の荒波の中を10数ktで航行すると地震とは比べ物にならない大きな力があらゆる方向から働きます。 
きちんと基礎的な強度計算をしてさらにいろんな実績とFRP独特な荷重の伝播などを踏まえて構造設計を進めなければなりません。
長さの短い小型船では造波抵抗の壁をのりこえて外洋で高速力を出すのは至難の業です。わずか0.3kt速くするためにも水槽試験を重ねます。
東九州造船においては、近年は9人の設計部の仲間たちのチームワークと関連業者の協力とによってかつお船をはじめ多彩な種類のFRP船が
設計され、工場の長年の経験を踏まえたすばらしい工作技術によって高性能なFRP船が建造されてきました。


FRP製かつお船の建造の様子です。

かつお船の一般配置図です。 最高の性能を求めて水槽試験が
繰り返されます。
船型がきまったらメス型の製作
にかかります。 
船体の積層が終わって、内部の
部材が組みつけられていきます。
船底部、二重底の肋板が組上り
ました。
外部から見たバルバスバウの型 魚倉の隔壁も入りブルワークの
補強が進められています。   
船首部、脱型しました。
脱型がすすみ中央部を残すのみ
船体の全貌が見渡せます。
船尾楼内の仕切りなどの組み立て 機関室内 主機搭載準備完了
前方は操業の目となるソナー
かつお船の心臓部、主機関
操舵室も乗って甲板上の艤装
がすすむ
巨大な5翼プロペラ 進水後は岸壁で艤装を行います 晴れて完成試運転!

もどる