大型FRP船

かつお船と東九州造船
 
FRP製かつお船

黒潮のながれに乗ってかつおを追いながら太平洋を駆け巡る
「黒潮の狩人」と呼ばれる近海かつお一本釣り漁船

漁船の中でも特に洗練された美しさを持つ全長40m以上もある
この船は軽くて強靭なプラスチック、FRPでできています。

外洋を走りぬくための優れたスピードと凌波性能を持った船型
強力なエンジンとソナーや潮流計など最新の航海漁労計器類
生き餌を畜養するためと釣った魚の鮮度保持のための精密な
保冷システムなど高度で複雑なシステムを備えています。 
スペースも限られ環境的に非常に厳しい海を走る漁船の中に
これらを装備して完成させるには長年積上げた実績と経験に
基づく緻密な計画と建造技術があって初めて可能です。
このすばらしい船を造ることができる造船所は九州、臼杵市の
東九州造船株式会社だけでした。
まさに、日本一のFRP造船所でした。
東九州造船の工場

昭和46年、初めて建造された全長33mFRP単板構造の59GT
かつお漁船 第三神徳丸以来、その信頼性と技術力によって
130余隻ものかつお船が建造されました。 
写真はかつお船だけでなくマグロ船やまき網船、漁業調査船
や旅客船など多彩なFRP船を数多く建造してきた東九州造船
の工場です。 
最盛期には5本の建造船台から次々にFRP船が進水しました。
真ん中の大屋根の中の3本の船台では全長40m以上もある
100GT以上の大型のFRP船が建造されました。

しかし、ほんとうに残念ですが平成16年の夏、東九州造船は
FRP船の建造を中止しました。
小型造船業の非常に厳しい状況の中でこのすばらしいFRP船
を造り続けてきた東九州造船と、建造されたかつお船をはじめ
とする数百隻のFRP船に最大の賛辞を送るとともに、いつの日
かふたたび大型のFRP製かつお船が建造されることを祈念する
次第です。
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