改造工事(2) 高速旅客船の改造工事

日本の某造船所で建造され、カンボジアのメコン川を走っていたアルミ製旅客船の改造工事をひきうけました。
船底を切り取って新しい船型に作り替え、主機関も換装して大幅性能アップを図るということで、熱帯の現地で
工事を行いNK船級も受けるという大変なしごとになりました。 
場所は現地にも上架場はあるのですが、正確に組立てるために傾斜のある船台よりも、水平で土台のしっかり
した、街に近い便利なところのほうがいいということで、コンテナヤードの岸壁を借りておこないました。
溶接のための電力は90KVAのディーゼル発電機を3台並べてまかないました。 工事に当たっては輸送の問題
気候の問題、その他いろいろ予期せぬこともありましたが、上架から6ヶ月、無事完成して性能を一新した船が
メコン川によみがえりました。
計画書の作成と準備

            

改造計画をしっかり立てることが第一です。改造方法や手順などの
技術的な問題はもちろん工程、改造場所、人員、機材、材料、電気、
ガス、水、関係官庁、検査機関などなど。 計画書を作成して十分に
準備をすることが必要です。                       
比較的大きい船の現地での改造の場合は必要な部材は
あらかじめ造船所で製作して運搬します。 この場合は
いったん組み立てた船底を40FTコンテナに入る大きさの
ブロックに切断しました。               

カンボジア(プノンペン)での工事  
工事場所はメコン川のコンテナ桟橋の上。 
  チャインから下の船底はきれいに削除。

40℃近い酷暑の中、工事が進みます。
ほとんどはブロックですが曲がりの強い
船首部分は現地での組み立てです。 
工事完成、クレーンでつりあげてメコン川
におろします。このあとNKの検査を受けて
試運転。計画通りの性能を確認しました。

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